開業届の記入で最初に手が止まるのが「職業」の欄です。切り抜きチャンネルという職業名は無いし、「YouTuber」と書いていいのかも分からない。

結論から書くと、職業欄に決まった書き方はありません。国税庁が様式に付けている「書き方」には、職業欄の記載方法の指定が無いためです。ただし、職業欄と「事業の概要」欄に書いた内容は、個人事業税という都道府県の税金の業種判定に関わりえます。この記事では、その仕組みまで含めて整理します。

職業欄に決まった書き方はない

開業届の様式には「職業」欄と「屋号」欄がありますが、国税庁の「書き方」に職業欄の記載方法の指定はありません(原文の確認は共通編)。

つまり、実態が伝わる言葉で書けば足ります。切り抜きチャンネルなら、たとえば次のような書き方が考えられます。

  • 職業: 「動画編集」「映像コンテンツ制作」など、活動の実態に合う簡潔な名称
  • 事業の概要: 様式に「できるだけ具体的に記載します」とあるので、こちらで具体化する(例: 「動画の編集・投稿および広告収益の獲得」)

職業欄は簡潔に、概要欄で具体的に、という分担で書くと迷いにくくなります。

職業欄が関わるもの — 個人事業税

職業欄の書き方が「どうでもよくない」理由が、個人事業税です。所得税とは別の都道府県の税金で、法定業種に当たる事業にかかります(条文・税率・事業主控除290万円の仕組みは共通編)。切り抜きを始めたばかりの段階では、まず意識するのは所得税・住民税で、個人事業税は事業の所得が290万円を超えてきてからの論点になります。

切り抜きはどの業種に当たるのか

ここは断定できません。切り抜きの収入といっても、依頼を受けて編集する請負に近い形もあれば、自分のチャンネルの広告収益が主という形もあり、実態によって見え方が変わります。どの業種区分に該当するか(あるいはどれにも該当しないか)の判定は都道府県が行うので、所得が事業主控除の水準を超えてきたら、所在地の都道府県税事務所に確認してください。

開業届の職業欄・事業の概要欄は、この判定の際に活動の実態を伝える情報になるため、実態と違うことを書かない、という一点だけ守っておけば大丈夫です。

共通の仕組みは共通編へ

法定業種の一覧・判定は名称ではなく実態・事業主控除290万円・青色申告特別控除の加算・事業開始等申告書は共通編へ。

まとめ

  • 職業欄に決まった書き方はない(国税庁の「書き方」に指定が無い)。実態が伝わる簡潔な名称でよく、具体的な内容は「事業の概要」欄に書く
  • 職業・概要に書いた内容は、個人事業税(都道府県税)の業種判定に関わりうる。実態と違うことを書かない
  • 個人事業税は事業主控除290万円を超えてきてからの論点。超えてきたら都道府県税事務所に確認
  • 事業主控除・青色控除の加算・都道府県への事業開始等申告書は共通編へ

開業届そのものの出し方・期限は、親記事YouTube切り抜きチャンネルの開業届の出し方で整理しています。