新しい稼ぎ方は、お金が先に来て、手続きが後から来ます。振り込まれてから「開業届は出すのか」「確定申告はいくらからか」を調べ始めることになる。

このページは、そのときに自分がどこにいて、次に何をするかを確かめるための全体マップです。手続きは職業が違っても大枠は同じで、3段階に整理できます。

どの職業でも手続きは3段階
  1. 1

    段階1 それは事業か

    続ける気のある収入か、単発か。事業所得か雑所得かの判定の軸は実態と帳簿の保存

  2. 2

    段階2 開業届を出す

    収益が出はじめたら

    期限は開業した年分の確定申告期限まで。青色申告承認申請は開業日から2ヶ月の別の時計で動く

  3. 3

    段階3 確定申告に備える

    年が明ける前に

    会社員の副業は所得20万円超で確定申告。20万円以下でも住民税の申告は別に必要。帳簿は白色でも必要

各段階の根拠と手順は、職業別の記事で一次ソースを引いて説明しています。

段階1 それは事業か 副業の入り口

最初の分かれ道は「その収入は事業なのか」です。ここで決まるのは開業届を出すかどうかだけでなく、所得の区分(事業所得か雑所得か)にも関わります。

判定の軸は開業届の有無ではありません。国税庁の所得税基本通達(35-2)が示すのは、社会通念上事業といえる実態があるかと、取引を記録した帳簿書類の保存があるかです。続ける気のある収入なら、帳簿を付け始めることがそのまま判定の材料になります。

この通達の原文と、判定に関わる条文をまとめて読むなら税務の根拠・共通編へ。

まだ稼ぎ始めていない人向けには、次の3職業に「始め方」のガイドがあります。収益化の条件・規約・必要な道具といった、手続きの手前の部分です。

段階2 収益が出はじめたら開業届

収益が続きそうなら開業届です。期限について現行の所得税法229条は「開業から1ヶ月以内」ではなく、事業を開始した年分の確定申告期限までとしています。慌てる必要はありませんが、青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月という別の期限で動くため、青色にしたい人はそちらが先に来ます。

期限・事業か雑所得かの線引き・書く欄と本人確認・扶養や失業給付への影響は、職業に関係なく同じです。原文つきの整理は開業届の共通編にあります。

書き方でつまずくのは「職業欄」です。ここは職業ごとに答えが違い、個人事業税の法定業種にも関わります。決まった書き方がないことと業種判定の仕組みは職業欄と個人事業税の共通編、職業ごとの候補は各職業のガイドの専用記事にあります。

段階3 年が明ける前に確定申告の準備

会社員の副業なら、給与以外の所得(収入から経費を引いた後)の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁No.1900)。20万円以下でも住民税の申告は別に必要で、ここがもっとも見落とされます。

判定に使う金額の基準(20万円の合算・基礎控除・計上時期)は確定申告はいくらからの共通編にまとめました。

そこから先の3つも、共通する部分は1ページずつにしてあります。

職業ごとに違う部分(在庫・源泉徴収・海外で引かれる税・ポイントの計上時期など)は、それぞれの職業のガイドで一次ソースを引きながら説明しています。

職業ごとに違うのはどこか

大枠は3段階で共通ですが、つまずく場所は職業ごとに違います。当サイトが11職業を職業別に書いているのはこのためです。

職業その職業に固有の論点
YouTube切り抜きチャンネル元動画の許諾と収益化審査の2つの関門
生成AI副業AIサービスの規約と商用利用の条件
Kindle出版印税にかかる米国の源泉徴収税とW-8の手続き
メルカリ・ネット物販売れ残り在庫の棚卸と生活用動産の非課税の境目
ハンドメイド販売材料費の原価計算と売れた分だけ経費になる仕組み
ライブ配信ポイントでもらう報酬をいつの収入に数えるか
ライター・動画編集の受託報酬からあらかじめ引かれる源泉徴収の精算
写真・イラスト素材の販売海外プラットフォームの源泉徴収と為替換算
フードデリバリー配達車両費の按分と労災保険の特別加入
noteの有料販売売上の計上時期と継続課金の前受金
音楽配信著作権使用料にかかる源泉徴収

自分の職業がこの中にあれば、そのガイドを上から読むのが最短です。近い職業がない場合も、収入の形が似ている職業(物を売る・作業を請ける・デジタルの権利収入)のガイドが参考になります。

職業をまたいで共通する部分は7ページに集約した

上の表が「職業ごとに違う場所」なら、その逆の「職業が違っても同じ場所」もあります。条文とタックスアンサーの原文は職業の数だけ書き写すものではないので、共通する説明は7ページに1回だけ置き、各職業の記事からはそこを指しています。

共通編何が書いてあるか
税務の根拠判定軸(通達35-2)・開業届の期限(229条)・経費と棚卸・20万円ルール・住民税の通知・無申告の罰則の原文
開業届「1ヶ月以内」が条文に無いこと・事業か雑所得かの線引き・書く欄と本人確認・青色申告承認申請の別の期限・扶養と失業給付
職業欄と個人事業税書き方に決まりがないこと・法定業種の一覧・判定は名称ではなく実態・事業主控除290万円・青色申告特別控除の加算
確定申告はいくらから判定は収入ではなく所得・20万円は合算・基礎控除95万円・所得税が不要でも住民税の申告は要る・計上時期
経費にできるもの必要経費の2区分・家事関連費は区分できる分だけ・債務確定の年・10万円の壁・40万円未満の特例
会社に知られたくない人特別徴収税額決定通知書の経路・「自分で納付」の効く範囲と限界・給与の副業には効かないこと
会計ソフトの選び方白色でも記帳と保存は必要・55万円と65万円控除の要件・選ぶときの基準・順位を付けない理由

自分の職業のガイドを読んでいて「この説明は他の職業でも同じでは」と思ったら、たいていその共通編に原文があります。

通説と原文がずれている論点

このマップで触れた「開業届は1ヶ月以内ではない」のように、広く出回っている説明が原文と違う論点がいくつもあります。当サイトが原文で確認できたものだけを、開業届と確定申告のよくある勘違い9つに集めました。手続きを始める前に一度読んでおくと、古い情報で判断するのを防げます。

迷ったら、自分の職業のページの STEP 1 から。個別の事情で答えが変わる論点は、 どの記事でも税務署・税理士への確認先を示しています。