生成AIを使った副業で収入が入るようになってから、実際に手が止まったところの記録です。私の収入源は自分で作った開発物・アプリの収益と、AI活用の相談・受託です。記事作成やイラスト販売ではないので、そのタイプの人には当てはまらない部分もあります。

先に書いておくと、税務の手続きそのものより、記録の整理でつまずきました。以下は当時の判断のままで、いまも未決着の論点があることも正直に書きます。

つまずいた順に4つ。同じところで止まっている人の役に立てば。

開業届を出し直さなくてよかった理由

AI副業を始めたとき、まず気になったのが「新しく開業届が必要か」でした。結論は不要でした。

理由は2つあります。ひとつは、開業届が事業ごとではなく人ごとの届出だからです。もうひとつは私の場合の事情で、以前に切り抜き動画の収益で開業届を出したときに、職業欄に「動画制作とコンサルと開発」と書いていたためです。当時は「将来やるかもしれないものを入れておこう」くらいの気持ちでしたが、結果としてAIを使った開発と受託が、既存の事業の範囲に地続きで収まりました。

ここは運がよかった部分です。もし職業欄を「動画制作」だけにしていたら、事業の概要と実態がずれていく状態になったはずです。これから出す人は、職業欄の書き方を少し広く考えておくと後が楽だと思います。

つまずき1 入金経路が4つに分かれた

いちばん面倒だったのはここです。気づいたら、お金の入り方が4系統に分かれていました。

入金経路が分かれると、記録もその数だけ分かれる

自分のサービスの決済

決済手数料が引かれて入金

プラットフォーム経由

手数料に加えて源泉徴収が絡むことがある

広告・アフィリエイト

月次でまとまって入金。確定と入金の時期がずれる

単発の直接請求

請求書を出して振込。締めが取引先ごとに違う

どれも同じ「AI副業の売上」なのに、明細の形と手数料の引かれ方が経路ごとに違います。

売上そのものは増えていても、「今月いくら売れたか」を出すのに4か所を見に行く状態になります。各サービスの管理画面をそれぞれ開いて、明細の形式もそれぞれ違う。ここで初めて、会計ソフトを入れるかどうかを本気で考えました。

判定の話でも影響が出ます。確定申告が必要かどうかの20万円の判定は、収入源ごとではなく合計で見ます(いくらから確定申告が必要か)。4つに分かれていると、そもそも合計を出す作業自体がひと手間です。

つまずき2 経費の4種類で迷った

迷った支出は、はっきり4種類でした。

迷った経費と、迷った理由
  • AIのサブスク(私用と兼用)

    按分の根拠づくりで止まった

    仕事にも趣味にも同じアカウントで使っているため、業務分をどう区分するかが決めきれませんでした。

  • API・サーバー・ドメイン

    比較的すっきりした

    従量課金は明細が残るので、業務のための利用だと説明しやすい支出でした。

  • PC・機材

    金額の区分を調べた

    金額によって入れ方が変わる(一括・一括償却・青色の特例・減価償却)ので、買う前に調べる話だと分かりました。

  • 書籍・講座

    線引きが曖昧なまま

    業務に必要な学習と、興味で読んだものの境目が自分でも判定しづらい。

いずれも「経費にできるか」ではなく「どこまで入れられるか」で迷いました。判断の根拠は国税庁No.2210の「明らかに区分できる場合」です。

やってよかったのは、業務用と私用でアカウントや支払い手段を分けられるものは分けたことです。逆に、途中まで同じカードで払っていたものは、後から分けようとしても記録が混ざったままでした。これから始める人には、最初にカードを1枚分けるだけで後の作業が減ると伝えたいです。

未決着の部分もあります。定額のAIサブスクの按分については、自分なりの区分の根拠を作った上でも「これで十分か」の確信はありません。ここは税務署に確認すべき論点だと考えています。考え方の整理は経費の記事に、国税庁の原文つきでまとめました。

つまずき3 プラットフォーム手数料と源泉徴収の記録

金額の記録の仕方でも詰まりました。振り込まれた額と、売上の額が一致しないからです。

  • プラットフォーム手数料: 売上から引かれて入金される。振込額をそのまま売上にすると、売上と経費の両方が実際より小さくなります
  • 源泉徴収された報酬: 引かれた税額は、申告のときに年間の税額と精算されます(源泉徴収の対象になる報酬の範囲は国税庁が定めています)。記録していないと、精算できるものを取りこぼします

どちらも「引かれる前の金額」と「引かれた内訳」を残す必要がある、という同じ形の話です。明細をダウンロードできるうちに落としておくのが最大の対策でした。プラットフォームによっては過去分の明細に期限があります。

つまずき4 勘定科目をどうするか

最後は帳簿の話です。AIのサブスクは何費なのか、API利用料は何費なのか。調べてもサイトによって書き方が違い、決めるのに時間を使いました。

いま整理してみると、ここは同じ支出をいつも同じ科目に入れることのほうが大事で、どの科目名を選ぶかで悩みすぎる必要はなかったと思います。年をまたいで科目がぶれると、前年との比較ができなくなるほうが困ります。

いま始める人へ

同じところで止まらないために、3つだけ。

  1. 開業届の職業欄は、いまやっていることより少し広く書いておく。収入源が増えたときに事業の範囲で収まります
  2. 業務用のカードとアカウントを最初に分ける。あとから分けても、混ざった過去は戻りません
  3. 明細は落とせるうちに落とす。手数料と源泉徴収の内訳は、後から取れないことがあります

この記事は私の経験の記録で、税務の助言ではありません。金額や事業の形で答えが変わる論点が多く、私自身も未決着の項目があります。個別の判断は税務署または税理士に確認してください。手続きの全体像は生成AI副業の開業届の出し方から順に読めます。