出版を申請したあと、ステータスが「審査中」のまま動かない期間があります。ここで不安になる人が多いところです。

先に言えることを書くと、審査には日数がかかるのが通常で、その間は自分では何もできません。だからこそ、出す前に確認しておく意味があります。

審査は通常3〜10営業日

KDP公式の「出版と審査」の記載です。

審査の完了にかかる時間は、提出した本の種類によって異なりますが、通常は 3 ~ 10 営業日です

営業日なので、週末や休日を挟むと実日数はさらに伸びます。加えて、出版権の検証に追加情報が必要な場合はこの期間が延長される可能性があるとも記載されています。

「1日で出る」と書いてある記事もありますが、公式が示している幅はこれです。予定は長いほうで組むのが安全です。

審査中は変更できない

これが実務でいちばん効く制約です。KDP公式は、「審査中」の間は本を変更できないとしています。

つまり、申請した直後に誤字や目次の崩れに気づいても、審査が終わるまで直せません。

申請してからの時間の流れ
  1. 1

    出版を申請する

    ここで原稿の内容が固定される。

  2. 2

    審査中

    通常3〜10営業日

    **この間は本を変更できない**。誤字に気づいても待つことになる。

  3. 3

    購入可能になる

    ストアのページができる。

  4. 4

    検索結果に出る

    最大72時間

    購入可能になってからさらに時間がかかる。

KDP公式「出版と審査」の記載に基づきます。

対策は前倒しするしかありません。KDPはWordファイルについて「複雑な書式設定は問題が生じる可能性」があるとして、Kindle Previewer で変換結果を確認するよう案内しています。プレビューで見れば、目次の崩れやレイアウトの破綻は申請前に気づけます。手順は原稿と目次の作り方で扱っています。

見られるのはフォーマットとコンテンツ

KDP公式は審査の対象をこう記載しています。

Amazon のフォーマットとコンテンツ ガイドラインを満たしているかどうかがチェックされる

2つに分かれているのが要点です。

審査で見られる2つの側面
  • フォーマット

    ファイルが正しく変換され、読める形になっているか

    崩れた目次・表示できない画像・変換エラーなどが対象になりえます。

  • コンテンツ ガイドライン

    内容がAmazonの定めるガイドラインに沿っているか

    権利関係を含みます。KDPは出版権の検証で追加情報が必要になる場合があるとしています。

具体的な判定基準はKDPのガイドライン本体を確認してください。ここでは何が対象かの整理までです。

フォーマットは自分で潰せる問題です。プレビューで確認すれば防げます。一方でコンテンツと権利の側は、出す前に自分で判断しておく必要がある部分です。他人の文章や画像を含む場合、引用の範囲や利用許諾の有無は自分の責任で確認することになります。

なお、フォーマットの問題を通知された場合、KDPは紙書籍については対応ガイド、電子書籍については「品質に関するお知らせダッシュボード」を案内しています。差し戻しの内容は個別に通知される形なので、この記事で「よく差し戻される理由」を一般化して並べることはしません。確認できる範囲を超えるためです。

本棚のステータスが進み具合を示している

審査中に見られる唯一の情報が、KDPの「本棚」に出るステータスです。画面上の表示は「審査中」ではなく「レビュー中」で、公式の一覧には次の段階が並んでいます。

ステータスKDP公式の説明(要点)
下書き詳細情報の入力を始めたが、まだ出版用に提出していない
レビュー中提出した本がフォーマットとコンテンツ ガイドラインを満たすかチェックされる。変更を行うことができなくなります
出版準備中レビューを通過し、出版の準備中。こちらも変更を行うことができなくなります
販売中出版され、Amazonで購入可能
販売中 - 未出版の変更あり詳細情報を編集したが、更新を出版用に提出していない
販売中 - 変更内容のレビュー中本は買える状態だが、直近の変更が審査中。追加の変更を行うこともできません
ブロックコンテンツ ガイドラインを満たしていないため出版も編集もできない。「本棚」から削除できません

「止まっている」ように見えても、レビュー中と出版準備中は別の段階です。ステータスが動いていれば進んでいます。

差し戻しは「下書き」に戻るという形で伝わる

差し戻しの通知がどう届くのかは、この一覧に書かれています。

「レビュー中」だった本が「下書き」に戻っている場合は、更新が必要な内容が見つかったことを意味します。詳細については担当チームからのメールをご確認ください。

つまり、本棚を見て「下書き」に戻っていたら差し戻しです。何を直すのかはメールで個別に届きます。同じ一覧は、直したあとの動きもこう書いています。

本を Amazon のガイドラインを満たすように更新したら、出版用に再提出してください。再度レビューを行わせていただきます。

差し戻しは終わりではなく、再提出して審査をやり直すという流れです。ここでも「よくある差し戻し理由」を一般化して並べることはしません(理由は個別のメールで届くもので、公式に一覧がないためです)。

変更できない期間は「レビュー中」だけではない

一覧を読むと、手が出せない期間が2つ連続していることが分かります。レビュー中に加えて、通過後の「出版準備中」でも変更できません。そして審査そのものについては、こう書かれています。

レビュー プロセスは、早めたり、キャンセルすることはできません。

取り消して出し直す、という逃げ道はないということです。だから申請前の確認が効きます。

出版後の修正も審査を通る

見落とされやすいのがここです。「販売中 - 未出版の変更あり」の説明にこうあります。

すべての更新内容は、Amazon で「販売中」になる前にレビューを通過する必要があります。

一度出したあとの修正も、そのつど審査を通ります。 しかも「販売中 - 変更内容のレビュー中」の間は追加の変更ができません。誤字を見つけるたびに出し直すと、そのたびに待ち時間が発生します。直したい箇所をまとめてから出すほうが結果的に速くなります。

公開と検索に出るのは別のタイミング

もうひとつ、告知の予定に関わる部分です。

本が購入可能になると、検索結果に表示されるまでに最大 72 時間かかります

審査を通ってストアのページができても、すぐには検索で見つけられません。 SNSで告知する場合、リンクを直接貼るなら公開直後でも問題ありませんが、「Amazonで検索してください」という案内は最大72時間ずれる可能性があります。

読まれるまでの導線をどう作るかは出しただけでは読まれないで扱います。

出す前にやっておけること

審査中に何もできない以上、できるのは前倒しだけです。

申請前のチェック
  • Kindle Previewer で変換結果を通しで見た

    目次・画像・レイアウトの崩れはここで見つかります。

  • 論理目次(NCX)が効くか確認した

    KDP公式は論理目次を「すべてのKindle本で必須」としています。本の先頭のHTML目次は「強く推奨」です。

  • 他人の文章・画像を含む場合、権利の確認をした

  • アップロードしてすぐ出版を申請した

    審査中は直せないので、確認の機会を捨てることになります。

いずれもKDP公式が案内している範囲の話です。これで全ての差し戻しを防げるという意味ではありません。

まとめ

  • 審査は通常3〜10営業日(営業日ベース。出版権の検証で延びることがある)
  • 本棚の表示は「審査中」ではなく「レビュー中」。差し戻しは「下書き」に戻る形で伝わり、理由はメールで届く
  • 変更できない期間は2つ連続する(レビュー中・出版準備中)。審査は早めることも取り消すこともできない
  • 出版後の修正もそのつど審査を通る。直す箇所はまとめてから出す
  • 見られるのはフォーマットとコンテンツ ガイドラインの2つ
  • フォーマットはKindle Previewerで申請前に潰せる。権利の側は自分で判断しておく
  • 購入可能になってから検索結果に出るまで最大72時間。告知の予定はこの幅を見込む

次は出しただけでは読まれないです。原稿の作り方に戻るなら原稿と目次の作り方へ。