数年前に、KDPで実用書・ノウハウ系の電子書籍を複数冊出したときの記録です。いまのKDPは画面も手順も変わっている可能性があるので、「数年前はこうだった」という一人の記録として読んでください。

先に全体を書くと、出す手続き自体は簡単で、詰まったのは原稿の側と待ち時間でした。順に書きます。

詰まった順に3つ。同じところで止まっている人の役に立てば。

Wordで書いて、そのまま上げた

原稿はWordで書きました。専用ツールを探すこともせず、書いたファイルをそのままKDPにアップロードしています。

いま調べ直すと、これは結果的に順当な道でした。KDP公式に「Kindle Create は日本語の本はサポートされていません」と書かれているので、日本語ではWordが主な選択肢になります(原稿と目次の作り方で引用しています)。当時はそんな理由も知らず、単に手元にあるものを使っただけでしたが。

Word原稿をそのまま上げること自体は問題なく通りました。躓いたのはその中身です。

目次で詰まった

いちばん時間を取られたのがここです。

最初に書いた原稿では、章タイトルを「文字を大きくして太字にする」やり方で作っていました。見た目は章タイトルですが、Wordの構造上は普通の本文です。この状態では目次が作れません。

結局、章タイトル全部に「見出し 1」のスタイルを当て直すところからやり直しました。作業自体は単純ですが、原稿が長くなってからやると面倒です。

やり直しになった原因
  • 文字を大きくして太字にしただけ

    見た目は見出し。構造上は本文なので目次が作れない

  • 「見出し 1」スタイルを当てる

    そこから目次を作れる

当時の作業の記録です。手順の詳細はKDP公式の「目次を作成する」を確認してください。

書き始める前に見出しスタイルを使う癖をつけておけば、この手戻りは無かったというのが正直な結論です。1冊目を書く人は、最初の1章を書く時点でここを決めておくといいと思います。

目次が2種類ある(本の先頭の目次ページと、Kindleメニューから開くNCX)ことも、当時はよく分かっていませんでした。読者として自分がKindleを読むときにメニューの目次を使っていたのに、作る側になったとき意識が回っていませんでした。

審査で待たされ、差し戻された

出版を申請してから、思っていたより待ちました。そして一度で通らず、差し戻しもありました。

差し戻しの内容は個別のものなので一般化して書けませんが、そのとき体感したことは2つあります。

1つは、審査中は何もできないということ。KDP公式にも審査中は本を変更できないと書かれています。申請したあとに「あそこを直したい」と思っても、待つしかありません。

もう1つは、予定を立てるなら審査の日数を長めに見ておくべきだということ。KDP公式は「通常は 3 ~ 10 営業日です」としています。営業日なので、週末を挟めば実日数はさらに伸びます。「今日出して明日告知」という組み方はできません。

当時やっておけばよかったこと
  1. 1

    プレビューで通しで確認する

    目次が効くか、レイアウトが崩れていないかを、申請前に自分の目で見る。

  2. 2

    告知の予定を審査のあとに置く

    審査の日数と、検索結果に出るまでの時間を見込んでから日付を決める。

いずれも申請前にしかできないことです。

価格とKDPセレクトで迷った

もう1つ迷ったのが、価格とKDPセレクトです。

価格は「いくらが妥当なのか」の手がかりが無くて悩みました。いま整理すると、先に価格を決めればロイヤリティ率は自動的に絞られる構造になっています(日本の70%は250〜1,650円という範囲があるため)。当時は「70%のほうが得だから70%」から考えていたので、順番が逆でした。この整理はロイヤリティと価格の決め方に書いています。

KDPセレクトについても、独占という言葉に引っかかって迷いました。ただ振り返ると、他の電子書店で売る予定はそもそも無かったので、迷う必要のない判断でした。「他で売る予定があるか」だけ先に決めれば、それで答えが出ます(KDPセレクトに入るかどうか)。

迷った時間の正体は、判断の順番が決まっていなかったことだったと思います。

読者はAmazonの外から来た

最後に、出したあとの話です。

読者はブログとSNSから来ました。Amazonの中で検索して見つけてもらった、という感覚はほとんどありません。

これは当然でもあります。出したばかりの本にはレビューもランキングの実績も無いので、Amazonの検索結果で既存の本に勝つ理由がありません。自分の外に読者がいる場所を持っていたから、そこから送れたという順番でした。

裏返すと、ブログやSNSを先にやっている人にとって、Kindle出版は相性がいいということでもあります。すでに読んでくれている人に向けて、まとまった形のものを渡せるからです。

いま1冊目を出す人に伝えるなら

この3つだけ先に決めておく
  1. 1

    最初の1章から見出しスタイルを使う

    あとで目次を作るときの手戻りが消える。

  2. 2

    価格を先に決める

    ロイヤリティ率と、KDPセレクトの必要性がそこから決まる。

  3. 3

    告知の予定を審査のあとに置く

    審査は通常3〜10営業日。検索に出るまでさらに最大72時間。

本文で書いた3つの詰まりに対応するものです。

出す手続きそのものは、身構えるほどのものではありませんでした。難しいのは、出す前に決めておくべきことを、決める順番で決めることでした。

全体の流れはKindle出版の始め方から順に読めます。印税が入りはじめてからの手続きはKindle出版の開業届の出し方にあります。