配信の投げ銭やギフトが毎月入るようになったら、開業届の話が始まります。ライブ配信の場合、最初に整理すべきは自分の報酬がどういう形で入っているかです。
事務所所属の場合は契約の形を確認する
ライバーの収入には2つの形があります。
- プラットフォームや事務所からの業務委託の報酬 → 個人事業側。この記事の対象です
- 事務所に雇用されて受け取る給与 → 年末調整の世界。開業届の話にはなりません
契約書に「雇用契約」とあるか「業務委託契約」とあるかで分かれます。分からなければ事務所に確認してください。以下は業務委託(個人事業)側の話です。
どこからが事業か
判定の軸は所得税基本通達35-2の注書き——「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているか」で、帳簿書類の保存が重要な材料です。たまに配信して少額のギフトをもらう程度なら雑所得側、継続的に配信枠を持ち、報酬の記録を付けているなら事業側に近づきます。
開業届はいつまでに出すのか
所得税法229条の現行条文です。
その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない
国税庁の手続案内(A1-5)も同じです。「開業から1ヶ月以内」ではありません。罰則の章(238〜243条)に開業届の提出に関する罰則はありません(無申告の罰則241条は別)。
青色申告承認申請書は1月15日までの開業はその年3月15日まで・以降は開業から2ヶ月以内(A1-8)で、開業届本体より先に締まることがあります。
- 1
契約の形を確認する
業務委託の報酬なら個人事業側。
- 2
事業と呼べる状態か確認する
継続的な配信+記録の保存。
- 3
開業届を出す
開業した年分の確定申告期限まで
提出は無料。
- 4
青色申告承認申請書を検討する
開業から2ヶ月以内
**こちらの期限のほうが先**。
国税庁A1-5・A1-8に基づきます。
扶養や失業給付が気になる場合
社会保険の被扶養者の判定は開業届の有無ではなく年間収入の見込み(自営業は必要経費控除後)です。失業給付の受給中に配信を事業として始めると「失業の状態」に当たらなくなるため、開業届の前にハローワークへ相談してください。
まとめ
- まず契約の形(業務委託か給与か)を確認する。個人事業の話は業務委託側
- 事業かどうかは「社会通念上事業と称する程度か」+帳簿の保存
- 開業届の期限は開業した年分の確定申告期限まで(229条)
- 青色申告承認申請書(2ヶ月以内)のほうが先に締まることがある
次は職業欄に何と書くか、収入の基準はいくらから確定申告が必要かへ。

