配信の経費は、機材は説明しやすく、衣装・美容は壁があるという非対称な形をしています。先に壁の正体から見ます。
衣装と美容には家事関連費の壁がある
国税庁No.2210の基準です。
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。
衣装・メイク用品・美容院代は私生活でも使える支出なので、この家事関連費の壁に正面から当たります。「配信のために買った」という主観ではなく、配信でしか使わないことを客観的に説明できるかが線です。
配信でしか使わない衣装(ステージ衣装的なもの)
区分を説明できる余地がある
配信での使用記録・保管の分離など根拠を作ります。
普段も着られる服・日常のメイク用品
区分の説明が難しい
「明らかに区分できる」に届きにくい支出です。
判断に迷う
税務署・税理士に確認
No.2210の基準に基づく整理です。個別の可否は状況によります。断定はできません。
機材は通りやすい金額で扱いが変わる
マイク・オーディオインターフェース・照明・スマホスタンドなどの配信機材は、収益とのつながりを説明しやすい側です。金額で扱いが変わります(No.2100)——10万円未満は全額その年の経費、10万円以上20万円未満は3年均等の一括償却を選択可。
[!IMPORTANT] 青色申告者の少額減価償却資産の特例(30万円未満)は、現行条文では「令和8年3月31日までに 取得した資産」が対象で、この期日はすでに過ぎています。高額な機材の前に、国税庁のページで 現在の適用期限を確認してください。
配信部屋と回線は明らかに区分できる分だけ
自宅の家賃・電気代・回線費は家事関連費です。配信専用の部屋・配信専用の回線など、区分の根拠を作れる範囲で按分を検討してください。生活と混ざったままの全額計上はこの基準に反します。
ライブ配信でよくある経費
マイク・照明・配信機材
金額で扱いが変わります(上記)。
配信アプリ・編集ソフトの利用料
業務利用分。
企画用の小道具・景品
企画との対応を記録に残します。
普段も使う服・美容代の全額
家事関連費の壁。区分できる分だけです。
No.2210の「収益とのつながり」を軸にした整理です。
まとめ
- 衣装・美容は家事関連費の壁。「明らかに区分できる分だけ」(No.2210)
- 機材は説明しやすい。10万円未満は全額・10万円以上は償却(No.2100)
- 30万円未満の特例は適用期限が到来済み。買う前に現在の期限を確認
- 配信部屋・回線は専用にした範囲で按分
- 迷ったら記録を持って税務署・税理士へ
次は会社に知られずに配信するにはです。

