「ライバー」は新しい職業です。開業届の職業欄に何と書くかは、切り抜きチャンネルと同じ種類の悩みになります。

決まった書き方はない

職業欄は自由記載です(共通編)。配信の実態から選ぶと——

ライバーの職業欄の候補
  • 配信活動が中心

    ライブ配信業・配信者

  • 歌・トークなど出演的な性格が強い

    タレント業・芸能

  • 「ライバー」と書く

    伝わるが概要欄で補足を

    概要欄に「ライブ配信アプリでの配信活動」と書けば実態が明確です。

実態が伝わる一般的な言葉を選びます。

個人事業税の一覧に配信業は見当たらない

東京都主税局の法定業種の一覧(第1種〜第3種・70業種)に、「配信業」「ライバー」という名前は見当たりません。ただし、ここから「個人事業税がかからない」と結論するのは早計です。

  • 判定は名称ではなく実態で行われます。地方税法72条の2の列挙には「電気通信事業(放送事業を含む。)」「演劇興行業」があり、活動の中身によってはこうした業種に当てはめられる可能性が残ります
  • 当てはまるかどうかを一般化して示した公的資料は確認できませんでした。最終判断は都道府県税事務所です

職業欄の書き方で税額をコントロールする話ではない——ここだけ押さえれば十分です。

通知の定義に「配信」という言葉は出てこない

法定業種の中身は、地方税法の条文だけでなく、総務省の通知(地方税法の施行に関する取扱いについて・道府県税関係)が業種ごとに定義しています。たとえば「コンサルタント業」は具体的な名称まで列挙され、「デザイン業」は含まれるデザインの種類が並びます。

その事業税の章を通しで確認すると、「配信」「動画」「インターネット」「ライブ」「タレント」「芸能」のどの語も1度も出てきません(2026-09-30 に確認)。

つまり、ライブ配信を名指しで扱った公式の定義が、そもそも存在しないということです。「配信業は何種ですか」に一言で答えられないのは調べ方の問題ではなく、定義の側に無いからです。だからこそ判定は実態で行われ、最終的には都道府県税事務所の判断になります。

教える配信なら、定義が近づく業種がある

ただし1つだけ、内容によっては定義が近づくものがあります。同じ通知の(17)です。

諸芸師匠業とは、茶、生花、舞踊、音楽、和洋裁、角力、柔道、語学、囲碁、将棋等を対価を得て教授する事業をいうものであるが、事業所等と認められるものを有しない程度の小規模なものについては、課税しないことが適当であること。

「教授する事業」であることが要点です。語学・音楽・囲碁将棋を教える配信は、この定義の言葉に近いところにいます。一方で、雑談や歌の配信をこれに当てはめる記載は通知にありません。

もう1つ、この(17)には小規模なら課税しないことが適当という記載が付いています。ただしこれは諸芸師匠業についての記載で、他の業種に広げて読めるものではありません。当てはまるかどうかを一般化した資料は確認できなかったので、当サイトでは断定しません。

通知の定義とライブ配信の距離
  • 配信そのものを名指しした定義

    通知に無い

    「配信」「動画」「インターネット」の語が事業税の章に1度も出てきません。

  • 語学・音楽などを教える配信

    諸芸師匠業の定義に近い

    「教授する事業」と定義されています。該当の判断は都道府県税事務所へ。

  • 雑談・歌などの配信

    当てはめる記載は無い

    実態で判定されます。名称で決まる話ではありません。

総務省「地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)」の事業税の章で確認した範囲です。該当するかどうかの判断は都道府県税事務所です。

まとめ

  • 職業欄に決まった書き方はない。ライブ配信業・タレント業など実態が伝わる言葉で
  • 法定業種の一覧に配信業の名前は見当たらないが、判定は実態。最終判断は都道府県税事務所
  • 総務省の通知(事業税の章)にも「配信」「動画」「インターネット」の語が1つも無い。答えが1つに決まらないのは定義の側に無いから
  • 教える配信だけは「諸芸師匠業」(茶・生花・舞踊・音楽・語学・囲碁将棋等を教授する事業)の定義に近づく。該当の判断は都道府県税事務所へ
  • 事業主控除290万円・青色控除の加算・事業開始等申告書は共通編へ
  • 職業欄で税額は変わらない。実態どおりに書く

次は収入がいくらから確定申告が必要かです。