サブスクの再生分配金が毎月入るようになったら、開業届の話が始まります。音楽配信の収入には、最初に知っておくべき性格があります——著作権使用料の世界にいる、ということです。
分配金は著作権使用料の世界にいる
所得税法204条1項1号は、源泉徴収の対象になる報酬・料金を列挙しています。
原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料……
作曲の報酬も著作権の使用料も明記されています。ただし柱書きの義務は「居住者に対し国内において……支払をする者」にかかります。つまり——
- 国内の事業者からの支払い → 源泉徴収の枠内の話になりうる
- 海外経由の分配 → 日本の源泉徴収の枠外。別の制度(外国の税)が関わりうる
自分の分配金がどちらの経路で、引かれているのか・いないのかを明細で確認するところが出発点です(経費と分配経路の記事で扱います)。
どこからが事業か
判定の軸は所得税基本通達35-2の注書き——「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているか」で、帳簿書類の保存が重要な材料です。1曲出して少額の分配が入る程度なら雑所得側、継続的にリリースし、分配明細を保存しているなら事業側に近づきます。
開業届はいつまでに出すのか
所得税法229条の現行条文です。
その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない
「開業から1ヶ月以内」ではありません。青色申告承認申請書は1月15日までの開業はその年3月15日まで・以降は開業から2ヶ月以内(A1-8)で、開業届より先に締まることがあります。
扶養や失業給付が気になる場合
社会保険の被扶養者の判定は開業届の有無ではなく年間収入の見込み(自営業は必要経費控除後)です。失業給付の受給中に音楽活動を事業として始めると「失業の状態」に当たらなくなるため、開業届の前にハローワークへ相談してください。
まとめ
- 分配金は著作権使用料の世界。204条の列挙に作曲・著作権使用料が明記されている
- ただし源泉徴収の義務は「国内において」支払う者にかかる。経路で前提が変わる
- 事業かどうかは「社会通念上事業と称する程度か」+帳簿の保存
- 開業届の期限は開業した年分の確定申告期限まで(229条)
次は職業欄に何と書くか、収入の基準はいくらから確定申告が必要かへ。

