音楽配信の経費は制作の実費が中心です。分岐が生まれるのは分配の経路——国内か海外か——のほうです。

音楽制作でよくある経費

音楽制作の支出の整理
  • オーディオインターフェース・マイク・モニター

    金額で扱いが変わる

    10万円未満は全額・10万円以上は償却(No.2100)。私用兼用は按分。

  • DAW・プラグイン・音源のサブスク

    業務利用分は経費にしやすい

  • スタジオ代・ミックス外注・ジャケット外注

    楽曲との対応を記録して経費側

  • 配信手数料・ディストリビューター利用料

    経費として計上

  • 説明も区分もできない支出

    入れない

No.2210の「収益とのつながり」を軸にした整理です。

[!IMPORTANT] 青色申告者の少額減価償却資産の特例(30万円未満)は、現行条文では「令和8年3月31日までに 取得した資産」が対象で、この期日はすでに過ぎています。高額な機材の前に、国税庁のページで 現在の適用期限を確認してください。

海外経由の分配は控除と換算の世界

分配の経路が海外(海外のディストリビューター・海外ストアからの直接分配)の場合、素材販売やKindle出版と同じ世界に入ります。

  • 収入は引かれる前の総額で立てる
  • 外国で納めた税額は必要経費ではなく、No.1240の外国税額控除の対象として整理する
  • 外貨建ての分配は円換算する。原則は取引日のTTM(電信売買相場の仲値)です(所得税基本通達57の3-2。継続適用を条件にTTBや平均相場も可)

記録するのは総額・引かれた税額・入金額・換算レートの4点。ここが揃っていれば申告で困りません。国内のディストリビューター経由なら、この節は関係なく、手数料の記録だけで足ります。

家事関連費は明らかに区分できる分だけ

自宅制作の家賃・電気代は、No.2210の基準——「明らかに区分できる場合のその区分できる金額」に限られます。防音室や機材専用スペースなど、区分の根拠を作れる範囲で按分してください。

まとめ

  • 機材は金額で扱いが変わる(No.2100)。30万円特例は期限に注意
  • スタジオ・外注は楽曲との対応を記録して経費側
  • 海外経由の分配は総額で立てて外国税額控除(No.1240)・換算は取引日のTTM(通達57の3-2)
  • 家事関連費は「明らかに区分できる分だけ

次は会社に知られずに音楽を出すにはです。