素材販売の経費は撮影・制作の実費が中心でシンプルです。手間がかかるのはむしろ海外分の記録——W-8・引かれた税額・為替換算のほうです。

素材販売でよくある経費

素材販売の支出の整理
  • 撮影機材・ペンタブ・PC

    金額で扱いが変わる

    10万円未満は全額・10万円以上は償却(No.2100)。私用兼用は按分。

  • 編集ソフト・素材制作ソフトのサブスク

    業務利用分は経費にしやすい

  • モデル料・スタジオ代・小道具

    どの作品のための支出か記録を

  • ロケの交通費

    撮影との対応をメモで残す

  • 説明も区分もできない支出

    入れない

No.2210の「収益とのつながり」を軸にした整理です。

[!IMPORTANT] 青色申告者の少額減価償却資産の特例(30万円未満)は、現行条文では「令和8年3月31日までに 取得した資産」が対象で、この期日はすでに過ぎています。高額な機材の前に、国税庁のページで 現在の適用期限を確認してください。

海外分の記録はW-8と明細

米国系プラットフォームのロイヤリティは、税務書類(W-8)の提出状況で米国の源泉徴収税率が変わります。財務省の資料では、日米租税条約により使用料の源泉地国課税は免税(改正前は10%)とされています。つまり書類を正しく出せば米国側の税率が下がる(ゼロになりうる)構造です。

  • W-8は期限つきです。Kindle出版のガイドで確認したとおり、署名した日から3年後の年の末で失効し、失効すると既定の30%に戻る運用が米国系プラットフォームで案内されています。自分のアカウントの税務情報の有効期限を確認してください
  • 記録するのは総額・引かれた税額・入金額の3点。引かれた税額は外国税額控除の材料です

為替換算の原則はTTM

ドル建てのロイヤリティの円換算には、国税庁の通達に原則があります(所得税基本通達57の3-2)。

その取引を計上すべき日……における対顧客直物電信売相場……と対顧客直物電信買相場……の仲値……による

原則は取引日のTTM(電信売買相場の仲値)。事業所得等の計算では、継続適用を条件に、収入は取引日のTTB、前月・前週の平均相場なども使えます。レートは主たる取引金融機関のものが原則です。換算前の金額・使ったレート・換算後の金額の3点を残しておけば、あとから説明できます。

家事関連費は明らかに区分できる分だけ

自宅作業の家賃・電気代はNo.2210の基準——「明らかに区分できる場合のその区分できる金額」に限られます。

まとめ

  • 経費の軸は収益とのつながり。機材は金額で扱いが変わる(30万円特例は期限に注意)
  • 海外分はW-8の有効期限総額・引かれた税額・入金額の3点を記録
  • 日米租税条約では使用料の源泉地国課税は免税(財務省)
  • 為替換算の原則は取引日のTTM(通達57の3-2)
  • 家事関連費は「明らかに区分できる分だけ

次は会社に知られずに素材を売るにはです。