素材販売には、他の副業に無い分かれ道が最初からあります。どこのプラットフォームで売るかで、ロイヤリティの引かれ方の前提が違うのです。
どこからが事業か
判定の軸は所得税基本通達35-2の注書き——「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているか」、そして帳簿書類の保存が重要な材料です。撮りためた写真を数枚登録しただけなら雑所得側、継続的に制作・登録して収益の記録を付けているなら事業側に近づきます。
開業届はいつまでに出すのか
所得税法229条の現行条文です。
その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない
「開業から1ヶ月以内」ではありません。青色申告承認申請書は1月15日までの開業はその年3月15日まで・以降は開業から2ヶ月以内(A1-8)で、こちらのほうが先に締まることがあります。
国内と海外でロイヤリティの引かれ方が違う
ここがこのクラスタの本丸です。所得税法204条1項の柱書きと1号を見ると——
居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金……の支払をする者は、その支払の際……所得税を徴収し 一 ……著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料……
著作権の使用料は源泉徴収の対象として明記されていますが、義務がかかるのは「国内において」支払う者です。
国内プラットフォーム(例: PIXTA)で売る
日本の源泉徴収の枠内の話になりうる
実際に引かれているかは支払明細で確認します。
海外プラットフォーム(例: Adobe Stock)で売る
日本の源泉徴収の枠外。米国の源泉徴収税など別制度
税務書類(W-8)の提出で税率が変わる世界です。経費の記事で扱います。
所得税法204条の構造に基づく整理です。個別のプラットフォームの取り扱いは各社の規約・明細で確認してください。
どちらの場合も、振り込まれた額をそのまま収入として使わない(引かれる前の総額で数える)のが申告の基本です。この先は確定申告の基準と経費の記事で扱います。
扶養や失業給付が気になる場合
社会保険の被扶養者の判定は開業届の有無ではなく年間収入の見込み(自営業は必要経費控除後)です。失業給付の受給中に素材販売を事業として始めると「失業の状態」に当たらなくなるため、開業届の前にハローワークへ相談してください。
まとめ
- 事業かどうかは「社会通念上事業と称する程度か」+帳簿の保存
- 開業届の期限は開業した年分の確定申告期限まで(229条)。青色申請のほうが先に締まりうる
- 著作権使用料は源泉徴収の対象だが、義務は「国内において」支払う者にかかる。国内と海外で前提が違う
- 収入は引かれる前の総額で数える
次は職業欄に何と書くかへ。

