ハンドメイドの経費でいちばん誤解が多いのは材料費です。「材料を買った年に全額経費」ではありません。
材料費は使った分だけが経費になる
国税庁のNo.2210は、必要経費に算入できる金額を「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額」としています。ハンドメイドに当てはめるとこうなります。
- 売れた作品に使った材料費 → その年の経費(売上原価)
- 未使用の材料・売れ残った作品 → 年末に棚卸資産として残す(所得税法47条)→ 売れた年の経費
材料の購入 3万円
年内にまとめ買いした分
売上原価 1.5万円
売れた作品に使った分。**この年の経費はここだけ**
期末棚卸 1.5万円
未使用の材料と売れ残り作品。翌年へ持ち越す
No.2210と所得税法47条に基づく整理です。
年末にやることは、残っている材料と作品を数えて、買った値段で記録すること。売上原価は「年初の在庫+年内の購入−年末の在庫」で計算します。
ハンドメイドでよくある経費
売れた作品の材料費
売上原価として経費
販売手数料・送料・梱包材
経費にしやすい
作品撮影の背景布・小物
業務用なら経費
私物と混ざるものは区分を。
イベント出店料・交通費
記録があれば説明しやすい
技法を学ぶ講座・書籍
業務との対応を説明できる範囲で
未使用の材料・売れ残り
その年の経費にはならない
棚卸資産として翌年へ。
No.2210の「収益とのつながり」を軸にした整理です。
道具は金額で扱いが変わる
ミシン・工具・カメラなどは金額で扱いが変わります(No.2100)。10万円未満は全額その年の経費、10万円以上20万円未満は3年均等の一括償却を選べます。
[!IMPORTANT] 青色申告者の少額減価償却資産の特例(30万円未満)は、現行条文では「令和8年3月31日までに 取得した資産」が対象で、この期日はすでに過ぎています。高額な道具を買う前に、 国税庁のページで現在の適用期限を確認してください。
自宅の作業スペースは明らかに区分できる分だけ
自宅制作の家賃・電気代は家事関連費です。No.2210の基準は「明らかに区分できる場合のその区分できる金額」。制作専用の部屋・作業台など、区分の根拠を作れる範囲で按分を検討してください。
まとめ
- 材料費は売れた作品に使った分だけが経費。買いだめ分は棚卸資産として翌年へ
- 年末に材料と作品の在庫を数えて記録する(所得税法47条)
- 手数料・送料・梱包材・出店料は売るための直接費用として整理しやすい
- 道具は金額で扱いが変わる。30万円未満の特例は適用期限に注意
- 家事関連費は「明らかに区分できる分だけ」
次は会社に知られずに売るにはです。

