物販でいちばん多い勘違いから始めます。「売上が20万円を超えたら確定申告」ではありません。
物販は売上のわりに利益が薄い働き方です。売上30万円でも、仕入れが20万円かかっていれば手元に残るのは10万円足らず。判定に使うのはこの残りのほうです。
判定に使うのは売上ではなく所得
- 売上: 売れた金額の合計
- 所得: 売上から必要経費(売れた商品の仕入代金・送料・手数料など)を引いた残り
売上 30万円
メルカリ・Amazonの販売額の合計
経費 22万円
売れた商品の仕入代金・送料・販売手数料
所得 8万円
判定に使うのはこの数字
判定に使うのは所得です。売れた商品の仕入代金が経費になる点は経費の記事で扱います。
もうひとつ物販固有の整理があります。私物の売却は非課税(所得税法9条1項9号・開業届の記事で扱いました)なので、不用品の処分で得たお金はそもそもこの計算に入れません。仕入れて売った分だけを数えます。
会社員の副業なら所得の合計20万円超
国税庁のタックスアンサー(No.1900)は、給与を1か所から受けていて年末調整で完結している人についてこう定めています。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人
「合計額」なので、物販の所得が単独で20万円以下でも、他の副業と合わせて超えるなら申告が必要です。なお、この案内には「確定申告をすれば税金が還付される人は除きます」という前提が付いており、給与収入が2,000万円を超える人や給与を2か所以上から受けている人は別の基準です(2か所以上の場合は、年末調整されなかった給与の収入金額もこの判定に入ります)。
専業なら控除を超えるかどうか
給与が無い専業の場合は、所得の合計が所得控除の合計を超えて税額が出るなら申告が必要です。誰にでも適用される基礎控除は、令和7年分以後、合計所得金額132万円以下の場合で95万円です(No.1199。48万円は改正前の情報です)。
住民税の申告は別に必要
20万円ルールは所得税(国税)の話で、住民税には同じ仕組みがありません。横浜市の案内にはこう明記されています。
合計額が20万円以下の場合には、原則確定申告は不要ですが、市民税・県民税の申告は必要となります。
物販の所得が20万円以下で確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村への住民税の申告は別に必要です。会社にどう伝わるかという話は会社に知られずに物販をやるにはで扱います。
まとめ
- 判定は売上ではなく所得(売上から仕入れ・送料・手数料を引いた残り)
- 私物の売却は非課税なので数えない。仕入れて売った分だけを数える
- 会社員の副業: 給与以外の所得の合計が年間20万円超で所得税の確定申告が必要(No.1900・合算判定)
- 専業: 控除を超えて税額が出るなら必要。基礎控除だけなら令和7年分以後は所得95万円が目安
- 所得税の申告が不要でも住民税の申告は別に必要
次は物販の経費と棚卸です。仕入れの扱いがこのクラスタの本丸です。

