開業届の様式を開くと「職業」の欄があります。物販の場合、ここで手が止まりがちです。「せどり」と書くのか、「小売業」なのか、古物商許可を取ったなら「古物商」なのか。
決まった書き方はない
まず前提から。国税庁が公開している開業届の様式の「書き方」には、職業欄について特定の職業名を指定する記載がありません(実際に全文を確認しました。所得の種類・給与等の支払の状況などの説明はありますが、職業名のリストはありません)。
つまり自由記載です。正解を探すのではなく、実態が伝わる言葉を選ぶ問題です。
実態が伝わる一般的な言葉で書く
仕入れた商品をネットで売っている
小売業
いちばん一般的で実態が伝わります。
より具体的に書きたい
物品販売業(インターネット販売)
事業の概要欄で「メルカリ等での物品販売」のように補足できます。
「せどり」と書く
伝わりにくい
俗称です。禁止されてはいませんが、一般的な言葉のほうが無難です。
決まりが無いので、実態に合う一般的な言葉を選びます。
職業欄とは別に「事業の概要」欄があるので、職業欄は短い一般名・概要欄で具体的にという分担が書きやすい形です。
古物商は許可の名前であって職業名ではない
「古物商」は、古物営業法の許可を受けて古物営業を営む者の呼び名です(同法2条3項)。つまり警察(公安委員会)側の制度上の地位であって、税務署に出す開業届の職業名として要求されるものではありません。
- 開業届の職業欄: 小売業などの一般的な言葉で書く
- 古物商許可: 別の手続きとして管轄の警察署で確認する
この2つを混ぜないのが、いちばん迷わない整理です。
個人事業税との関係
職業欄は、都道府県が課す個人事業税の業種判定の材料になりえます。東京都主税局の法定業種の一覧では、物品販売業が第1種事業(税率5%)に挙げられています。仕入れて売る物販は、この物品販売業に整理されるのが素直な形です。
ただし2つ添えておきます。
- 判定は名称ではなく実態で行われます。最終判断は都道府県税事務所です
- 個人事業税には事業主控除290万円があり、事業の所得がその規模に達するまでは発生しません。また個人事業税の計算では青色申告特別控除額が加算されます(所得税の青色控除は個人事業税には効きません)
まとめ
- 職業欄に決まった書き方はない(様式の「書き方」に職業名の指定が無い)
- 物販なら小売業・物品販売業が候補。具体的な中身は「事業の概要」欄で補足する
- 古物商は許可の名前。職業欄の記載とは別の手続きとして扱う
- 個人事業税の法定業種では物品販売業が第1種5%。ただし判定は実態・事業主控除290万円がある
次は収入がいくらから確定申告が必要かです。

